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化学は最大の戦場
化学は、理科4科目の中でも最大の戦場であり、多くの優秀な戦士が戦いに挑みにきます。受験者数が単純に多いのです。
その戦いに、何の武器も持たずに我流で挑むのは危険です。作戦を間違えたら、どんなに頑張っても負けます。
化学において大事なのは、自分だけで突き進んで行くのではなく、武器を身につけて、攻略法を学び、作戦を立てることです。つまり、自分に合った参考書や勉強法を知ることなのです。
弱い人でも勝てるのがゲーム
英語、国語、数学の主要教科は、他の教科を学ぶ時の基本となります。
しかし、数学や英語ができる人でも、化学は得点に伸び悩むことがあります。これは、基本的な学力(主要教科)がついていても、勉強の方法を間違えたり、自分に合った良い参考書に出会えていないからです。
ゲームの中であれば、実際は戦闘力がない人でもどんなに体力がない人でも、武器が強くて攻略法を知っていれば、勝つことができます。
化学も同じで、主要科目が苦手でも、きちんと作戦を立てていけば、高得点が狙える科目なんです!
武器(自分に合った参考書)の見つけ方
戦いに挑むために欠かせないのは、武器です。
対策の立て方で大きな差がつく科目ですので、自分に合った参考書すら選べていないと言うことは、ライバルと同じ土俵にすら立てていないのと同じです。
ライバルが最強の武器を選んで持っているのに、あなたはデフォルト設定の時からあるようなボロボロのナイフ1本で戦おうとしているのです。
自分に合った参考書と出会う
まずは、自分で自分に合った参考書、問題集を選ぶことから始めましょう。
自分で選んだ参考書でないと、信じて読むことができなくなってしまうので、他人の意見を聞きながらも最後に意思決定するのは自分です。
自分に合った参考書を見つけるためのポイントは、本屋さんに行って、自分の苦手分野だけに絞って、本の中身をざっと確認することです。そして、その解説が一番わかりやすいと思った化学の参考書を選ぶといいです。
また、問題集だと、一冊を最後までやり遂げることが大切と言われることが多いですが、化学で解説書として読むのであれば、「この本は有機がわかりやすい」と有機の範囲だけ読むというスタイルで何冊も買っても構いません。
その本で何か自分にとって、わかりやすい「解説」「考え方」に出会えたのであれば、無駄にはなりません。
自分に合った勉強法と出会う
化学は作戦の立て方でかなり得点率が変わる科目です。
先生によって、本によって、解説の仕方は違い、そのどれが自分に合うかはわかりません。早く自分に合った勉強法に出会うことが大切です。
そのために、塾であれば、講習授業を利用してわかりやすい先生を見つけたり、いろいろな参考書をさらっと見て自分に合った本を見つけたりしましょう。
もちろん、学校の授業、問題集で十分理解できるのであればそれでいいです。
この自分に合った参考書や勉強法と出会えるかどうかで、その後の勉強量が同じでも大きく得点率が変わってしまうのが化学です。
化学は「出会い」なのです。
化学の攻略法:理論化学
- 「反応速度」「平衡」では計算力は必要じゃない
センター試験で出題される「反応速度」「平衡」ですが、基本事項さえ押えておけば、計算が難しいものはありません。教科書の例題がそのまま出題されたような問題も多いので、数学が苦手だからと諦めるのではなく、まずは基本事項を押さえましょう。
基本事項
①反応速度
触媒は、活性化エネルギーを小さく、反応速度を大きくする
②化学平衡
- ルシャトリエの原理
- 電離平衡
酢酸とアンモニアのような単純な計算を押えておく
- 緩衝液
酢酸と酢酸ナトリウムの混合溶液が緩衝作用を示す理由
- 「酸化還元反応」を得点源にする
「酸化還元反応」といえば、「酸化還元滴定」「電池」「電気分解」です。
「電池」と「電気分解」は出題されるものが決まっているため、ひととおり問題をこなせば得点できるようになります。また、「酸化還元滴定」は、計算としては、化学基礎で学習した「中和滴定」と同じ公式でできるので、出題されたら確実に得点源にしましょう。
化学の攻略法:有機化学
- 有機化学は得点源にするべし
有機化学は、比較的わかりやすい単元ですので、得意科目にしやすいです。
有機化学の基本的な知識をまずは覚えましょう。
その際に気をつけることは、反応式だけを覚えないということ。
丸暗記した知識はすぐに忘れる。まさに「すぐに使えるものはすぐに使えなくなる」です。丸暗記してもそこそこの点数しか取れません。
例えば、センター試験でも頻出の「フェノール」ですが、たくさんのものがフェノールから作られています。そのため、フェノールは、様々な製法で作られてきたもので、そこに歴史があるのです。
製法から使われている製品、物質の特徴など、全体を捉えて覚えていきましょう。
- 構造式を書いて覚える
簡略化して書いた反応式ではなく、構造式を書いて覚えましょう。
すると、どんな反応が起こっているのかが視覚的にわかるようになり、理解が深まります。
先ほども言ったように、ただの丸暗記はすぐに忘れてしまいますし、使える知識ではありません。何かを覚える時にはその背景にあるものとセットで覚えることが大切です。
そして、構造式を書くという作業によって、右脳を使った記憶にすることで記憶の定着もしやすいです。
化学の攻略法:無機化学
- 非金属分野のポイントは、気体とハロゲン
ハロゲンとは、周期表の17属元素のことで、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などがあります。
無機化学の非金属分野は、まずは気体とハロゲンを覚えると、かなりの問題をカバーできるようになります。
覚えるときに大切なのは、身近な製品とリンクさせて覚えること。
ハロゲンであれば、殺菌剤として利用されるということをイメージして覚えると、酸化力が強いことも納得ですよね。
塩素ガスを石灰水に溶かしたものはプールの殺菌に、ヨウ素は褐色のうがい薬です。また塩素は酸化力が強すぎて、使えません。
このようなイメージができると、ハロゲン単体での酸化力の強さが、周期表の上にある物質ほど強いということも、覚えやすいですよね。
- 金属分野のポイントは、沈殿と再溶解
教科書や参考書にのっている、沈殿、再溶解の図を自分で書いてまとめてみましょう。ここでも、イメージが大切で、イメージで覚えてしまうと、知識が定着しやすいです。
いざ勝負!戦闘ゲームの戦いの順番
ゲームをするとき、ラスボスから戦いを挑みませんよね?まずは、雑魚キャラから倒して、確実に上がっていくでしょう。そもそも、ゲーム制作者は心優しいので、ゲームで遊ぶ人が、そのゲームを開始直後にラスボスと戦うようにはゲームを作っていません。
しかし、テストの問題が戦闘相手だとすると、テストではすべての戦闘相手がごちゃ混ぜになってやってくるのです。最初にラスボスがやってきたら、そのキャラを倒すためにどんなに時間とアイテムを尽くして頑張っても、負けてしまうでしょう。
ボスキャラに挑んで経験値が得られないより、たくさんの雑魚キャラを倒して少しの経験値を積み重ねた方が効率がいいですよね。
化学のテストも同じで、与えられた問題をそのまま解く必要はないのです。問題を解く順番も戦略が必要です!
最初から難しい問題(ラスボス)に時間をかけるより、まずは易しい問題(雑魚キャラ)をたくさん解いて、点数(経験値)を稼ぐことです。それに、共通テストの問題の配点は、問題によってそこまで差がありますん。
①共通テスト直前には、無機化学を復習
無機化学分野は、試験直前まで復習することをお勧めします。
無機化学は、やはり覚えているかどうかです。理論化学は直前に復習したからと言って点数に直結しにくいですが、無機化学の場合、直前に確認したところが出題された!ということが起こりやすく、得点に直結しやすいです。
そして、私のお勧めは、その記憶が新しいうちに、無機化学から問題を解くこと。
②滴定の問題はすぐにやる
プレッシャーに弱い人は、できない問題があると動揺してしまって、本来できるはずの問題でもミスをするようになってしまいます。
そういう意味では、しっかりと準備すれば必ず取れるような問題をすぐにやってしまうと良いです。
それが、「滴定の問題」で、計算が楽で、器具の使い方がわかっていれば信じられないくらいすぐに解けてしまう上に、小問も多いのでとてもおいしいのです。
③理論化学分野より、有機化学分野を先に解く
共通テストに出題される有機化学の問題は、比較的易しいため落ち着いて解いて、他の難しそうな問題に気分良く取り組めるようにすると良い。
このようにして解いていって、残った問題を残った時間で解くようにするとようでしょう!
まとめ
化学という戦闘ゲームの戦い方が少しはわかりましたか?
戦い方がわかってしまえば、後はコツコツと勉強するのみです!
これであなたも共通テストで9割以上間違いありません!