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医学部小論文・面接対策vol. 3 SOLとQOL

医学部受験

これまで、「患者の権利」や「告知」について学んでくる中でもキーワードとしてよく出てきた「QOL」について今回は「SOL」と比較しながら学んでいきたい。

生命を救うことだけが医師の仕事なのか?ということを改めて考えることができる機会になると良い。

SOLとQOLの違い

具体的な状況で考えてみよう。

交通事故で重症を負った患者が病院に運び込まれた場合、まずは患者を治療し、患者の生命を助けることが必要になる。

これに対して、高血圧や糖尿病で身体の不調を訴える患者が病院にやってきた場合、生きるか死ぬかという状況で命を救うことが問題になってくるわけではない。なぜならば、患者は高血圧や糖尿病を抱えながら、疾病と付き合いながら人生を送ることになるからである。

生命の尊厳(SOL:Sanctity Of Life)は、人間の生命とは、どのような状況であっても絶対的に平等であり、神聖な価値をもつという考えだ。医療の基本は、生命の尊重にあることは言うまでもない。

しかし、具体例であげた高血圧や糖尿病の場合、どのように生きるか、どのように生活が充実した有意義なものにできるかが問題となる。

これが生命の質(QOL:Quality Of Life)を考えるということなのだ。

生命の尊厳(SOL:Quality Of Life)

人間の生命とは、どのような状況であっても絶対的に平等であり、神聖な価値をもつ。

生命の質(QOL:Quality Of Life)

どのように生きるか、生命の内容を考える。人生や生活の充実度や有意義さを問題とする。

QOLへの流れの変化

かつて、疾病の中心は感染症であった。感染症のような疾病の場合、生命を救うことが第一であり、医師の役割は生命を救うことだった。

例えば、コレラ患者を治療するとき、患者の価値観はほぼ関係なく、医師は、患者の病状を判断して的確な治療を行えばよかった。何よりも患者の生命を尊重すればよかったのだ。

しかし、現代では感染症の死亡率は著しく低下した。これは、日本において公衆衛生の整備が整ったことや生活水準が向上したこと、また医学や医療が進歩したことなどによると考えられる。

一方で、生活習慣病が増え、患者が疾病を抱えながらも快適な生活を送ることができるようにすることが求められる。

どのような治療を行うべきかは、患者の価値観や年齢、性別などによって大きく異なる。患者のQOLを意識した治療が必要になっている。

延命治療とQOL

あなたは延命治療をどこまで行いますか?

医学の進歩によって、延命治療も高度な技術が生み出されてきた。

SOL(生命の尊厳)を尊重し、患者が少しでも長く生きることを優先して考えると、医師がするべき使命は、延命治療技術によって、とにかく長く生かすことにあるということになる。

人工呼吸器や栄養チューブなどをさまざまな器具をつけてベットに縛り付けておくという、いわゆる「スパゲッティ症候群」が肯定されることになる。

ここで、考えたいのは、大事なのは生命の長さではなく生命の質ではないのかということだ。

つまり、たとえ余命が短縮されても、患者が充実した有意義な生活を送ることができるようにする医療行為もしてもよいのではないかということである。

末期状態にある患者に対しては、「QOL」の観点から、患者が望むのであれば、痛みを和らげることに重点を置き、患者が残された人生をより充実した有意義なものにできるように支援していくということが大切である。

どのような選択が患者のQOLの向上になるのかは、患者本人にしかわからない。QOLつまり患者の生命の質は、身体的なことだけでなく、精神面や社会的立場などとも関わってくる。

そのため、患者の身体的、精神的、社会的側面を綜合的に見る、患者を「病める臓器」としてではなく、人格をもった「人間」として見ていくことが大切になってくる。

したがって、QOL(生命の質)を重視する医療とは、全人的な医療を行うということに重なるものである。

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